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最近、アスベストの健康被害に関する大きな判決が相次ぎ、大きく報道されました。
ひとつめは、大阪・泉南地域の紡績工場の元従業員らが、国に損害賠償を求めた事件で、平成26年10月9日、最高裁は、国が工場の排気装置の設置を義務付けなかったことの違法性を認め、国に損害賠償を命じる判決を下しました。
ふたつめは、造船所の下請け等として造船等の業務に従事し、じん肺に罹患した者が損害賠償を求めた事件で、広島高裁は三菱重工業㈱に損害賠償を命じる逆転勝訴判決を下しました。なお、じん肺のうち、著しい肺機能の障害がない管理区分2の方からの損害賠償請求も認められました。
アスベストの健康被害は大きな社会問題となっています。
アスベストは、高度経済成長期に大量に輸入され、建設材料等として大量に使用されていました。直接的にアスベストやアスベスト製品を扱っていた方だけでなく、アスベストが使用された建物内で仕事をしていた方、工場の近隣住民やアスベストの付着した作業着を洗っていたご家族等にもアスベストの健康被害に遭われた方がいます。また、十分な規制がなされる前にはアスベスト製品は、手術用の手袋のすべり止めや、中学校の理科の実験器具など、思いもかけないところで使用されていましたし、古い建物の取り壊しや災害等による倒壊時にもアスベストが飛散したおそれがあります。アスベストとは無縁だと思っている人も思わぬところでアスベストにさらされている可能性があるのです。アスベストの健康被害は、今後も増大していくと考えられます。
アスベストの健康被害については、健康管理手帳の取得、労災やアスベスト救済法に基づく申請などの救済制度があります。110番では、事情をうかがった上、とりうる救済手段について説明します。また、アスベスト疾患に詳しい医師や病院を紹介することもできます。アスベストによる健康被害に関して、不安に思っている方は、ぜひご相談ください。